HOME > WRAPの起源 > メアリー エレン・コープランドさんのエッセー
元気になること 1 2 3 4 5 6
 私を絶えず悩ませていたもうひとつの思いは、“私はまだ何も成し遂げていない”という気持ちでした。私は違うやり方をすることにしました。もう随分たくさんのことをやり遂げたと。しばらくのあいだ、やり遂げたことの長いリストを作るのに熱狂しました。朝起きることや幼稚園を修了したことから修士号を2つ取ったこと、5人の子どもを育てたことまであらゆることがリストに載りました。まもなくリストを作らなくて良くなりました。悲観的な考えはもう私の生活の要素ではなくなったのです。

 悲観的な考えに取り付かれたときは、手首に輪ゴムをはめます。悲観的になりはじめたら輪ゴムをプチンとはじきます。そうするともっと、人生の明るい面に目を向けることを思い出します。手首の輪ゴムは家族や友人にとって、取り付かれた考えに私が取り組んでいるという合図なのです。

 肯定的な独り言を補強するために認知療法のテクニックを使ったり、自分自身をよりよく扱ったり、私を受け止めてくれる家族や友人と時を過ごすことによって、私は自尊感情を底辺から救い出しました。自分のことを悪く考えはじめていると気づいたら(うつの注意サイン)、繰り返し繰り返し自分の価値についての個人的な意見を述べるのです。「私は素敵で、特別で、ユニークな人間だから人生で出会う最上のすべてのものに値する」というふうに。

 何人かの非常に優れたカウンセラーや、代替的医療の実践者と共に、そして、いろいろな自分でできる手法に関する資源を用いながら、私は多様なストレス減少法やリラクゼーションの方法を学びました。幸福な感覚を増大させ、不安を減らして眠りを助けるために、これらのテクニックを毎日、使っています。うつや躁うつの注意サインに気づいたら、私にとって累進的なリラクゼーションである簡単な呼吸法を行なう回数を増やします。

 私は良いときと同様に、状況が困難になったときに頼りに出来る、組織だったサポートシステムが必要だとわかりました。お互いにサポートし合うことになっている5人のリストを持っています(電話の横においてあります)。この人たちとは定期的に連絡を取っています。一緒にランチをしたり、散歩したり、映画を見たり、お互いに楽しめることをします。困難が生じたら、話を聴いてもらい、アドバイスをもらったり判断を助けてもらったりするのです。私も同じことをしてあげます。これは私の元気にはとてもありがたいことなのです。

 私のサポーターのうちの何人かは、女性のためのサポートグループや感情障害のある人たちのサポートグループに定期的に出席しているうちに出会った人です。そのほかは家族や、いまはお互いにサポートしあうことになっている古い友人です。

 私が自分の健康に主体的に取り組んでいるので、まわりの人はより熱心に私のサポーターをしてくれるのだと気づきました。お互いにサポートしあう取り決めが良いようです。サポートは双方向であるべきです。サポーターが私ほどに頼みごとをしていないと気がつけば、こちらからランチか映画に誘い、小さな贈り物をしたり家事を手伝ったりします。

 サポーターにとっては、私が頼っているのはその人一人だけではないと知っていることも良いようです。もし彼らが大変で私の助けになれないときは、私は誰か他の人の助けを得られることがわかっています。

 私のカウンセラーたちは、私が持っていた役に立たない社交技術を手放し、そのことで私が強力なサポートシステムを得やすいようにする手助けをしてくれました。

 私のサポーターのなかには、一流の女性カウンセラーや内分泌線系の疾患の専門医や身体療法家や代替的治療コンサルタントを含む健康管理の専門家がいます。私は自分が主導権を握っていることを忘れないようにしています。誰かが可能な治療を提案すると、私はそれを行なう決断をする前に十分な検討をします。
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