自分のWRAPを作るには、元気に役立つ道具を書き出すことからはじめます。それは自分にいちばん役に立ちそうなもので、必要なときに、あるいは毎日、またはある感情が湧き起こったり、特定の状況に遭遇したとき、どのように用いるとよいのかがわかっているものです。
WRAPのプランには、クライシスプランも含まれていて、自分の身の回りのことができなくなったり、身の安全を守れないようなとき、人にどのように対応して欲しいかを知らせるようにしておきます。また、クライシスを脱したときのプランは、クライシスから回復に向かう、ときとしてもっとも困難な時期、あなたに手引きを与えてくれるものです。
日常の生活を注意深く振り返ってみることで、元気でいるために毎日しなければならないことはなにか、気分を乱すきっかけとなるような出来事はなにか、調子が乱れていることを知らせる注意サインはなにか、調子が悪くなっていることを示すサインはなにかを発見することができるでしょう。そのような気づきを得て、自分で見つけた元気に役立つ道具を用いて、あなた自身の元気に役立つ行動プランを作ります。ラップには次のような事柄のリストが含まれます。
- 元気でいるために毎日しなければならないこと。たとえば、健康的な食事を1日3回とること、30分間運動することなどです。
- 気分を乱すきっかけになるような出来事(引き金)。たとえば、友達と喧嘩をする、多額の請求書を受け取るなどです。そのことによって、調子を乱さないようにするための元気に役立つ道具。
- 注意サイン――調子の乱れを示すサイン。たとえば、いらいらした感じや不安な感じなどです。そして、それに対応するためのプラン。
- 調子が悪くなっていることを示すサイン。たとえば、無謀な行動や孤立感など。また、その状態から立ち直るための行動プラン。
また、あなたの身の回りのことについて誰かに責任を引き受けてもらわなければならない状況に陥ったときのための、クライシスプランを作ることもできます。クライシスプランには次のようなことを含めます。
- あなたのサポーターのリスト。あなたとの関係と電話番号を添えたもの。
- 飲んでいる薬のリストとそれを服薬している理由。
- サポーターに、あなたの身の回りのことについて意思決定し、責任を引き受けてもらわなければならない状態であることを示すサイン。
- サポーターにしてもらいたいことの指示。