私が元気になる過程はずっと以前にはじまっていました。この過程は完結するものではないと思っています。私の人生において、責任ある立場にいた大人たちや、医療の専門家が違った対応をしていたら、私の人生の旅はかなり違ったものになっていたでしょう。
ここでは、私に何が起こって、どうやって元気になってきたのかをお話したいと思います。そして最後に、どのように私の人生が違ったものになりえたか(多くの苦痛が回避できたか)、“慢性の精神病患者”にならないように、うつや躁うつの症状にどのように対処できたであろうかについてお話したいと思います(私は精神的な不調には、すべての不調と同様に、身体的かつ心理的な要因があると思っています。ある治療への反応の仕方や、どのように不調の管理をしたり、それに対応したりするかは、個々人によって異なります。誰にでも当てはまる答えは存在しません。私たちはそれぞれ自分自身で、自分にあったやりかたを見つけ出さなければなりません)。
私の心の不安定さはいつはじまったのでしょう。たぶん、学校の他の子どもたちと自分は違っていると感じはじめたときだと思います。何が違うのかわからなかったけれど、どこか違うとわかっていました。
5歳のとき学校からの帰りに、友達が車にはねられて死んでしまったからなのか。母が精神病院にいたからなのか。私は望まれたり、受け容れられたり、愛されていると感じたことがなかったからなのか。2人の年上の親戚の男の子が長年、私に嫌がらせや性的ないたずらをしたからなのか。面倒をみてくれた人が私の駄目なところを、いちいちぜんぶ言い続けたからなのか。幼い少女だったころの写真を見ると、外見は他の子どもたちと同じようであったことはたしかです。私の心のなかは一体なにが違っていたのでしょう。
ときどき私は絶望に負けて、どうしようもないほど泣きながら、一人自分の部屋で長い時間を過ごしました。それ以外のときは“とても利発で元気で”よくできる人であることで、寒々とした生活環境に立ち向かっていました。その中間というのはあり得ませんでした。
そのころを振り返ると、10代や、それよりももっと幼いころから、私は答えを探していたようです。気分を良くするための方法を。私はセルフケアに関する雑誌記事や本を熱心に読みました。ダイエットやエクササイズを試しました。いつも完璧であろうとしました。ですが、なにも大きな助けにはなりませんでした。