ピアカウンセリングはよく用います。もっと行なう必要があります。それは本当に助けになります。友人とあらかじめ決めておいた時間だけ会います。その時間を半分に分けます。半分の時間のあいだ、私はしゃべり、泣き、興奮し、明るくなり、動揺し、何でも感じるままにします。もうひとりはよく聴いてあげて励まし、批判したり判断したりせずアドバイスを控えます。残りの半分の時間は同じことを相手が受けるのです。そのときに話したことについては、完全に秘密を守ります。
フォーカシングは、イギリスにいる仲間が勧めてくれました。彼らは、うつや躁のエピソードを避けるためそれを定期的に使っています。それは自分の感情の源を理解することを助けてくれる、簡単な自分でできるエクササイズです。私は圧倒されそうな気分になったときはいつでも、横になってリラックスします。それから自分を新しい視点に導いてくれる簡単な質問を自分にします。よく他の人にもフォーカシングの本を読んだり、セミナーに行くように勧めています。私の最近の本にはフォーカシングの章を入れました。
私がした非常に重要な決心は、二度と自殺を考えたり死のうとしないようにするということです。私はこれが続いているあいだ、そこにとどまり、何が起ころうと正面から向き合おうと決心しました。そして決心して以来、何度もそうしなければなりませんでした。繰り返し繰り返しその選択を確かめ、死ぬことについて決して考え込まないようにしたのです。
私の人生を振り返り、どのように違った道筋をたどり得ただろうかを考えてみました。
- 友達が車にはねられたらとき、もし、大人たちが私を抱いて、泣かせてくれて、恐怖や痛みや寂しさは当たり前だよといってくれたり、悪夢を見ているとき一晩中、私といてくれたりしていたら、どうなっていただろう。“忘れ”させるために、いろいろなことをして時間を過ごさせようとする代わりに。
- 母を精神病院に連れて行くとき、もし、私を置いていって泣き泣き眠るようにした代わりに、私を抱いて慰めて私の寂しさを認めてくれていたら。
- もし、周りの大人が、私に嫌がらせをしたり性的ないたずらをした男の子たちから、私を守ってくれていたらどうなっていただろう? 私がそそのかすようなことをしたに違いない、という代わりに。
- もし、私の面倒を見てくれた人が、私を非難する代わりに、褒めてくれていたら。彼女が私を可愛くて賢くて独創的でかけがえがないといってくれて、私が自分を悪い子だと思う代わりに、自分を信じることが出来ていたら。
- もし学校の友達が、母が病院に入院しているからといって私を遠ざける代わりに、私を優しく取り囲んでくれていたら。
- 40人もの患者がいてプライバシーはなく愛情もサポートもない、生き地獄のような、暗く悪臭のする病院に閉じ込めておいて、私の母が回復するなどと、どうして人々は思ったのでしょう。暖かくて愛情あるサポートが治療だったとしたら、私が大きくなるあいだ、母はそばにいてくれたかもしれません。
- もし、私を躁うつ病だと診断した最初の医者が、私が元気になるのは自分次第だといってくれ、気持ちの浮き沈みをよく学ぶ必要があること、不安の原因を正確に指摘するための徹底した健康診断が必要であること、食事が違いを生むこと、運動はとても助けになること、適切なサポートは気分のあり方に決定的な影響をもたらすことなどを教えてくれていたら。
不快でわけのわからない症状に打ちのめされている人たちが、将来、どんなふうな対応を受けることができるか、もっとも素晴らしい未来図が私の好奇心を刺激します。押しつぶされそうなうつ状態、制御しきれない躁、おびやかされるような妄想や幻覚、死にたいと思い続けることや、自分を傷つけることへの対応は、私たちがそれを要望したときにはじまります(このシナリオであれば、私たちはより頻繁にそれを望むでしょう)。
私たちが「助けて」と手を伸ばしたとき、暖かく愛情に満ちた人たちが、すぐに手に入る様々な選択肢を提供してくれるのです。選択肢には、遊覧船や山の保養地、中西部の牧場、豪勢なホテルなどがあります。このあらゆる場所で最高ランクの親切な医療・保健の専門家による相談や治療の機会が提供されます。プール、ジャグジィ、サウナ、スチームルーム、トレーニングルームがいつでも使えます。好みの健康食品が選べます。いろいろな美術や音楽の手法を通して創造的な表現ができます。マッサージや他の身体療法も、要望があれば使えます。ストレス減少やリラクゼーションのクラスもあります。サポートグループにも自由意志で参加できます。暖かく親切な人たちがいつでも話を聴いてくれて抱きしめてくれたり、励ましてくれたりします。感情を表すことが奨励されています。あなたが選んだ家族や友人が来てくれることも歓迎されます。もしお好みなら、このようなサービスを自宅で受けることもできるでしょう。理解のある雇用主はこの元気促進体験のために従業員に喜んで休暇の許可をだしてくれることでしょう。このような環境を与えられたら、あなたはどのくらいで元気になるでしょうね。
(著:メアリー エレン・コープランド、訳:高村なをみ)