4.自分の望むこと、必要なこと、受け取って当然なことを獲得するために、私たちはそれぞれが自分のためのアドボカシー(権利擁護)をしなければなりません。
精神症状を経験する人たちは、人としての権利を失ってしまったと誤って信じていることがよくあります。そのため、しばしば私たちの権利は侵害され、このような権利の侵害が見逃され続けています。慢性的に不安定な状態が続いたことにより傷ついた自尊感情を取り戻すにつれて、自分のための権利擁護をすることは、それだけではるかに行ないやすくなります。私たちは他の人と同様に知性があり、価値があってユニークで、世界に貢献できる特別な才能を持っていて、人生が提供できるもっともすばらしい贈り物を受け取るに値するのだと理解すると、それはもっと容易くなります。支援者、家族、友人たちからサポートされていれば、さらにやりやすくなるでしょう。
人は誰でも、前向きなリスクを選ぶことを通して成長します。私たちは、次のことをするときにサポートしてくれる人を必要としています。
- 自分の意思で生活や治療の選択をするとき。それが従来の治療とは異なるように思えても
- 自分自身のクライシスプランと治療プランを立てるとき
- カルテなど、自分の記録を集めることができるようにするとき
- 薬の副作用について情報収集するとき
- 治療(特に危害を加えるおそれのあるもの)を拒否するとき
- 交際相手を選んだり、精神(信仰)的実践を選択するとき
- 尊厳を尊重し、尊敬と深い慈しみの気持ちを持った対応を受けているとき
- 自らの選択による人生を築き上げていくとき
5.相互的な関係とサポートは元気になるための必要条件です。
ピアサポートへの関心が全国的に広がっていることは、リカバリーに向かって努力するときに、サポートがいかに大切であるかについての認識の現れです。ニューハンプシャー州では、症状がもっとも重いときでさえも、安全と安心を感じることのできる安全な場所をピアサポートセンターが提供しています。
さらにピアサポートでは、人々の能力と限界について、あるとしてもごく限られた前提しか持ち込みません。病名で分類せず、上下関係(たとえば、医者と患者)もなく、その結果、人々は自分だけに関心を寄せていたのが、お互いに新しいことを試してみることに取り組み、コミュニティを作っていくという、より大きなプロセスに力を注ぐことへと進んでいきます。ニューハンプシャー州のクレアモントにあるステッピングストーン・ピアサポートセンターのクライシス・レスパイトでは、この考え方をさらに一歩推し進めて、安全で支持的な環境において、ピアサポートと学びの機会を24時間体制で提供しています。
コントロールを失っていて、病気であると見なされるのではなく、クライシスをどうしたら成長と変化の機会にすることができるかをお互いに学ぶ手助けをします。たとえば、メンバーのひとりが多くの困難な考えを抱えながら、入院を避けるためにやってきました。彼がそこでしたかったことは、診断評価されたり、薬を増やされたりすることではなく、自分の考えを話すことでした。数日後、彼はより落ち着いた気分で家に帰り、人と関わることができました。彼はレスパイトセンターで築いた人間関係を維持し、広げていくことに力を注いでいます。
サポートグループを利用し成長するにしたがって、それ自体が変化し続けるコミュニティを創っていくことで、多くの人は自分がどんな存在なのかについての認識が広がることに気がつきます。人々は成長するにつれ、人生の他の領域に関心を広げていきます。